7月のブログテーマは「夏の暮らし」です。
「家のつくりやうは、夏をむねとすべし。」
中学生の国語の授業で初めてこの言葉を聞いてから、ずっと頭の中に残っています。
先生の解説は、「日本の夏は暑く湿気も多いので、家は風通しを良くし、夏を快適に過ごせるようにつくることが大切」というものでした。
この授業を受けて、多くの人が「家は開放的につくるもの」「冬は着込めば何とかなるから、とにかく窓を開けられる暮らしが理想なんだ」と考えたのではないでしょうか。
私も長い間、そのように理解していました。
しかし、家づくりの仕事をするようになって、この言葉の意味を改めて考えるようになりました。
今は温暖化が進み、私が中学生だった頃とは夏の暑さが大きく変わっています。
昔は「窓を開けて風を通せば涼しい」と言われていましたが、今はそれだけでは快適とは言えません。
35℃を超えるような猛暑日には、窓を開けても入ってくるのは涼しい風ではなく、熱い空気です。
場合によっては室内の温度が上がり、熱中症のリスクを高めてしまうことさえあります。
だからこそ、「家のつくりやうは、夏をむねとすべし」という考え方は、今の時代だからこそ大切なのではないかと思っています。
ただ、その実現方法が昔とは変わりました。
昔は風を通すことで夏を快適にしていました。
今は、高い断熱性能で外の暑さを室内へ伝えにくくし、窓や軒で日差しをコントロールし、計画換気によって窓を開けなくても新鮮な空気の中で快適に暮らせる家をつくる時代です。
約700年前に書かれた言葉ですが、「夏を快適に暮らすことが大切」という考え方は、今でも変わらないのだと思います。
変わったのは、その方法です。
昔の知恵に、現代の住宅性能を組み合わせる。
それが、これからの家づくりなのではないでしょうか。
私は、この言葉を思い出すたびに、家づくりの基本は今も昔も変わらないと感じます。
そして、その時代に合った技術で、お客様に一年中快適な暮らしをご提案していきたいと思っています。

