今回のテーマは「デザインと暮らし」ということで、私なりの考えをお伝えしたいと思います。
「暮らしにデザインなんて、なんだか疲れそう……」
そう感じる方もいらっしゃるかもしれません。
「デザイン」というと、華やかに飾ったり、見た目を格好よくしたりすることを想像しがちです。しかし私は、デザインとは、そもそも「整える」ことなのだと考えています。
暮らしをデザインするのですから、余分なものは必要ないのかもしれません。
暮らしやすいこと、動きやすいこと、必要なものをすぐに取り出せること。そして、家事や毎日の作業がスムーズに進むこと。こうしたことも、暮らしのデザインには欠かせない要素だと思います。
「作業効率が良いなんて、職場でもないのに?」と思われるかもしれません。
けれども、ごみ袋も、薬も、学校へ持っていくものも、置き場所を知っているのはお母さんだけ。家族からいちいち「お母さん、あれはどこ?」と聞かれる暮らしは、お母さんにとっても、ほかの家族にとっても、少なからずストレスになるのではないでしょうか。
収納は、たくさんあればよいというものではありません。使う場所の近くに使うものがあり、家族の誰が見ても、どこに何があるのか分かる。そんなふうに整えることも、大切なデザインの一つだと思います。
さて、私はよく模様替えをします。
整理整頓をするだけではなく、その時々の流行を取り入れて、花柄いっぱいの部屋にしてみたり、フランス風やイギリス風に変えてみたりします。
正直にいえば、完璧にそろえようとすると、かなりお金がかかります。そこで、少ない予算の中で何とか工夫する。これが意外と、その家だけのオリジナルデザインになるのです。
今は多くの方がそうかもしれませんが、私は無印良品の収納が最強だと思っていて、家の中のものを少しずつ無印良品の商品に入れ替えています。
やはり、デザインの基本は整理整頓です。
いくら格好よくて高価な家具を買っても、持っているものをすべて収納できず、家具の周りにものを置くことになってしまえば、デザインどころではありません。そんな部屋を見ていると、一度すべて捨てて、初めからやり直したくなります。
だから、無印良品で必要なものを少しずつそろえていく方法は、やはり最強だと感じます。
私はもともと機能的な家具が好きです。整理整頓された部屋は美しく、気持ちがよいものです。
けれども、機能だけを追求すると、時々少し殺伐としているようにも感じます。無印良品は白と木が基本です。整った部屋は美しいのですが、これはこれで、しばらくすると飽きてしまいます(笑)。
最近は、そんな部屋にカラフルな小物を置きたくなりました。
海外、特にヨーロッパやアメリカのインテリアを見ると、昔から変わらない定番のデザインがあり、それを長く使い続けているように感じます。流行に左右されず、昔から変わらないデザインも格好いいものです。
結局、暮らしのデザインには、「これが正解」という完成形はないのだと思います。
まずは整理整頓をして、使いやすく整える。けれども、整えるだけでは物足りなくなり、好きな色や柄を取り入れたくなる。暮らし方や家族構成、好みや気分が変われば、心地よいと感じる部屋も変わっていきます。
だから私は、家を建てるときも、家具や物の位置を最初から細かく決めすぎないようにしています。
もちろん、造り付けの家具や、置き場所の決まった収納が合う方もいますので、これは人それぞれです。ただ、これから変わっていく暮らしに合わせて、自由に模様替えができる余白を残しておくことも、暮らしやすい家には必要なのではないかと思っています。
高価な家具をそろえることだけが、デザインではありません。
限られた予算の中で工夫しながら、その時々の自分や家族に合うように整えていく。その積み重ねが、いつしかその家だけのオリジナルデザインになるのではないでしょうか。
家は、完成したときが本当の完成ではありません。そこに住む人が暮らしながら、少しずつ変え、整え、楽しんでいくものです。
だからこそ、「暮らしとデザイン」は、いつまでも続く永遠のテーマなのだと思います。