間取りの考え方は、昔と今とで大きく変わりました。
私が小さい頃、実家では居間が6帖あり、キッチンを挟んでL字型に食事室がありました。けれど実際には、テレビのある居間に食事を運んで食べることが多かったように思います。
「こんな食事の仕方はおかしいのではないか」と、家族の誰かが言って、しぶしぶ食事室で食べるようになった記憶があります。今思えば、ずいぶんおおらかな両親だったのだなと思います。
ある日、友達の家に遊びに行ったときのことです。そこは食事室と居間がかなり離れていて、手作りでケーキや梅酒を作るお母さんがいて、「きちんと家事をしている家」という印象を受けました。
我が家は庶民的な家でしたが、いわゆるお金持ちの家は、全体的にそんな雰囲気だったように思います。
その後、LDKという考え方が主流になったとき、私は「そりゃそのほうがいいよね」と心の底から思いました。食事をする場所とくつろぐ場所がゆるやかにつながっているほうが、暮らしやすいのは自然なことだったのだと思います。
そして今は、ダイニングがそのままリビングの役割を果たしてもおかしくない時代になりました。LDKというより、キッチンを中心に家族が集まる「リビングキッチン」という考え方も増えてきています。無駄に広いだけのLDKではなく、本当に必要な広さに整えていく傾向になってきたように感じます。
一方で、個室の考え方は昔からあまり変わっていません。中学生くらいになれば個室が与えられる。これは今も多くの家庭で共通しているのではないでしょうか。
間取りは、ただ部屋を並べることではなく、その時代の暮らし方そのものを映しているのだと思います。
