内壁材は、デザイン性はもちろん、
空間の使い方や暮らし方に適したものを
選ぶことが基本です。

たとえば、リビングやベッドルームには
温かみのある風合いの素材を、
幼い子供の部屋には汚れが落としやすいもの

トイレや洗面室であれば、
清潔感のある耐水性のあるものがいいでしょう。

取り入れる空間に
必要な性能や機能の持つ素材かどうか、
ショールームやカタログで
事前に確認した上で選ぶようにしましょう。

◆主な素材は、クロスや塗装、木、タイルなど

一般的な住宅で取り入れられる内壁には、
クロス(壁紙)や塗壁、木、タイル、パネルなど
多種多様な素材があります。

各メーカーから、
豊富な商品バリエーションが揃っているので、
予算や好みに合わせて自由に選ぶことが可能でしょう。

ただし、素材によっては、
施工方法や施工条件など専門的なことも関わるため、
こだわりがある場合は、
早めに設計の担当者と相談することが大切です。

◆クロス(壁紙)  
 ビニールクロスや紙クロス、織物クロス

一般的な住宅の居室空間で
最も多く使われているのが壁紙と呼ばれるクロスです。

素材によって、ビニールクロスや紙クロス、
織物クロスなどに分類され、
それぞれ豊富な商品が揃っています。

●ビニールクロス

塩化ビニール樹脂などを主な素材とする
ビニールシートに紙などを裏打ちしたものです。

最も多く用いられている素材で、
ハウスメーカーの商品住宅などでは、
標準仕様となっているケースが多くみられます。

比較的安価なものから揃い、
色やデザインのバリエーションも豊富、
プリントを施したものだけでなく、
凸凹のあるエンボス加工、
発泡させたタイプなども揃っています。

施工がしやすいのも特徴で、
耐久性や清掃性にも優れ、
調湿性などを持たせたタイプなどもあります。

●紙クロス

パルプが原料の洋紙を原紙に、
プリント加工やエンボス加工を施したものです。

欧米では多く用いられる素材で、
輸入住宅などに取り入れているケースもあります。

植物のコウゾやミツマタを原料とした和紙、
月桃の茎から繊維を取り出しパルプにした月桃紙、
一年草のケナフなど原料としたものなどもあります。

●織物(布)クロス

平織りや綾織、不織布などがあり、
温かみのあるテクスチャーや重厚感が魅力ですが、
価格は比較的高めです。

ホコリを吸着しやすいので、
お手入れははたきをかけるか
掃除機を用いるといいでしょう。

その他、環境への配慮から
オレフィン樹脂などを用いたもの、
薄くカットした天然木やコルクなどを
紙と張り合わせたもの、
聚楽(じゅらく)壁紙、珪藻土壁紙などもあり、
その素材や加工方法などは多種多様です。

また、汚れ防止や防カビ・抗菌、耐水性、
ペット対策などを施した商品も増えてきているので、
用いる空間に適した機能を持つ商品を
選ぶことができるでしょう。

◆塗壁  
 調湿性や断熱性などに優れ、素材感も魅力

伝統的な左官塗工法である塗壁の種類は、
一般的に仕上げ(上塗り)に
塗るものによって分けられます。

漆喰(しっくい)を塗ったものが「漆喰壁」、
土で仕上げたものが「土壁」になります。

さまざまな素材や仕上げがありますが、
いずれも、日本の気候・風土にも適応しており、
調湿性・断熱性・防火性・防音性などに
優れているのが特徴です。

クロスと異なり仕上がりに継ぎ目が無いこと、
刷毛、コテやローラーなどで
さまざまな表情を生み出すことができるのも
メリットでしょう。

●漆喰(しっくい)壁

漆喰壁は、消石灰に砂と糊などを混ぜて
土壁の上に塗るもので、
滑らかな表面の日本独自の塗壁仕上げです。

耐久性、調湿性、断熱性、防火性などに優れています。

色は白が基本ですが、色土や顔料を加えたタイプも。
通常の塗装仕上げのように施工できるタイプ、
漆喰を用いたクロスなど施工性を高めたものもみられます。

●珪藻土(けいそうど)

海や湖などに生息していた単細胞の
植物プランクトンの死骸が堆積して出来た土層から
採取されるものです。

多孔質である(多くの小さな穴を持つ)ことから、
吸湿性、吸放質性、保温性、断熱性に優れる素材です。

地球環境に配慮したものとして
人気の自然素材のひとつとなっており、
仕上げパターンや色柄、施工性を高めたタイプなど
さまざまな商品がみられます。

石膏ボードに直接塗り付けられるもの、
クロスの上に塗ることができるリフォーム向けの商品、
炭や繊維など他の素材を組み合わせた
メーカー独自の商品もあります。

●プラスター

鉱物質の粉末と水を混ぜたものです。

純白の仕上がりが特徴です。

石膏を主成分にした石膏プラスター、
作業性のよいドロマイトプラスターなどがあります。

西洋漆喰とも呼ばれる仕上げです。

●土もの・土壁

いわゆる土もの、土壁と呼ばれるものは、
数奇屋建築や茶室などにみられます。

「京壁」とも言われ、上塗りの土によって、
「聚楽壁」「大津壁」などの種類があります。

その他、パルプや紙繊維、化学繊維などを
のりで混ぜて水で練る繊維壁、
なめらかな素材感が特徴の砂壁、
調湿機能を持つ火山灰を主成分にしたもの
などもみられます。

◆木質系  
 腰壁やアクセントとして部分的に用いても

無垢材を用いるケースもありますが、
木質系の製品としての壁材は、
天然木化粧合板(突板タイプ)や
化粧シートタイプなどがあります。

天然木化粧合板は、
合板やMDF(中質繊維板)などの基材に
木材の薄い板を張り付けたものです。

化粧シートタイプは、樹脂やオレフィン、
紙などのシートに、木目や石目、
抽象的な柄などを印刷し、
基材に張り合わせたものです。

木質系の壁材は、
ひとつの面に用いて部屋のアクセントとしたり、
腰壁として取り入れえるケースが多くみられます。

◆タイル  
 水まわりだけでなく、居室に用いても

タイルは、耐久性や耐水性に優れるため、
主に水まわりに用いられる素材ですが、
最近では居室の床や壁材などでも、
取り入れられるケースもみられます。

特に、調湿や消臭などの機能を持つタイル商品は、
リビングやダイニング、ベッドルームなどで
用いる例も増えてきました。

テクスチャーやデザインのバリエーションも
豊富になり、さまざまなインテリアに
合わせることも可能でしょう。

◆さまざまな機能を持たせた素材も揃う

●調湿性や消臭性能を持つ

上記で挙げた仕上げ材以外にも、
各メーカーから、さまざまな機能を持たせた素材が
みられます。

たとえば、
基材に特殊な加工を施したり
珪藻土などを混ぜることで、
調湿機能や消臭機能を持たせたものなどは、
湿気の気になる納戸やクロゼット、
洗面室などに用いてもいいでしょう。

●水や熱に強く、油汚れにも強い

キッチンや洗面室などに向いているのが、
汚れがこびりつきにくく、
汚れても落ちやすい加工が施された
パネル状の壁材(キッチンパネルなど)。

水や熱に強く、油汚れにも強いのも特徴で、
目地も少ないのでお手入れが簡単なのもメリットです。

タイル調のものや石目調のものなど色柄も豊富です。

◆ショールームで実物の確認を。
 床材や天井材とコーディネートに配慮して

多様な素材、商品が揃う内壁材は、
空間の中でも大きな面積を占めるため、
選ぶ際には、床材や天井材、家具やファブリック、
照明プランなどとの
デザイン的な調和を考えることも大切です。

また、カタログやサンプル帳だけでなく、
できる限りショールームの
大きな見本で確認しましょう。

太陽光や照明の光でのイメージの違いも
チェックしておくこともポイントでしょう

それでは、また。

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